ところで,AMDといえばGPU周りも気になるところだが,先に2007年8月の投入が関係者の口から予告されていた“ATI Radeon HD 2900シリーズの下位モデル”がどうなったのかについて続報が得られたので,最後にレポートしておこう。
(一部で報じられている)統合型シェーダ削減版は「ATI Radeon HD 2900 GT」として,2007年10月頃,Sapphire TechnologyやTulといった特定のパートナーから登場することになるという
まず製品名は最終的に「ATI Radeon HD 2900 Pro」となったようだ。同GPUについては,一部で統合型シェーダの削減があると報じられていたが,AMD関係者はこの報道を否定。「ATI Radeon HD 2900 XTと同じ,320基になる」と断言する。
では何が削減されているかというと,それはメモリ周り。連載「西川善司の3Dゲームエクスタシー」のバックナンバー「『ATI Radeon HD 2000』シリーズのGPUアーキテクチャ徹底解説」で説明しているように,ATI Radeon HD 2900 XTは左回り256bit×2,右回り256bit×2で計512bit×2のリングバス(Ring Bus)メモリアーキテクチャを採用するのが大きな特徴だが,ATI Radeon HD 2900 Proでは,リングバスのまま256bitインタフェース(256bit×1)になるという。ただし,グラフィックスメモリ容量は変わらず512MBに据え置かれる。
出荷スケジュールは遅延なく8月中だが,これはカードメーカーに対してのものであり,エンドユーザーが入手できるのは2007年9月になるとのこと。最終的な想定売価は249ドルとなり,「GeForce 8600 GTSと同程度の価格で,パフォーマンスでは上に行く」あたりがターゲットになるそうだ。
早くも“ハイエンドGPUの機能を削減してミドルレンジ上位として投入する作戦”が取られるわけで,これは興味深い。ライバルがこれを黙って見ているとも思えず,秋口はミドルハイクラスGPU戦線が熱くなるかもしれない。(ライター:米田 聡)
◎HD 2900 Pro :320sp、600/1600MHz?、256-bit、512MB、249美金
△HD 2900 GT :160sp?、?/?MHz、256-bit?、OEM使用
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